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国府台高校同窓会会報
第27号
2008年(平成20年)2月15日

(8)

こんにちは!
書に情熱を傾けて
18期 夏原紀美代 さん

夏原紀美代氏 夏原さんは、昨年、市川の吉澤ガーデンギャラリーで個展を開いた書家であり、長年都立高校の書道講師をしています。
 高校三年の十一月に大学の進路変更をして書道を志し、書家の小倉欣也氏に指導を受け始めました。東京学芸大書道科を卒業したものの、企業にも、学校にも 勤めたくないと、一年間は聴講生としてぶらぶらしていたところ、臨時の講師への誘いを受け、その時から現在までずっと高校の書道講師を続けています。二年 目には、母校の講師も勤めました。
 卒業以来、書の先生には就かず、一人で、古い中国の書や十一世紀頃、江戸時代の手紙や画家の書を師として学んできました。
その後、歌人の玉城徹に出会い、「芸術」、「美」への強い影響を受け、それをきっかけに短歌の世界に引き込まれました。いくつかの短歌会にも入るうち、一 九八一年歌人山崎方代と、運命的な出会いをし、短歌を自分で書に結晶させて主張することに力を注ぎました。『山崎方代全歌集』の年譜も執筆しました。
 教えることも大好きで、高校だけでなく、書楽会をつくり、小学生から八十三歳の高齢の方まで多くの生徒と書道を楽しんでいます。手本のための手本は使わ ず、空海が書いた手紙や、古典の筆跡などを手本にしているわけは、慣習的な手本模倣に変えて、自分の心のはたらきを書の形にしていくことの大切さを伝えた いからだそうです。「基礎は教えなくても、自ら学び取り、書いていくうちに、知ろうとする力ができてくればよい」と熱く語ります。
 「最近の高校生は?」の質問には、「生命力を持っていることはいつでも同じ。特に変化は感じられない。」ときらきらしたまなざしで、はっきりお話する様子には、大きな自信と情熱を感じました。
 個展も毎年開き、公開講座も行うなど、還暦を間近に、まだまだ精力的に活動しています。


関谷忠男名誉会長を偲ぶ
会長 伊能重憲
 平成十九年四月七日、関谷忠男名誉会長は薬効空しく享年七十六歳でご逝去なさいました。
関谷名誉会長 母校創立十周年の昭和二十八年に本会は発足しましたが、当時は会長に内藤校長、副会長に緒方教頭と後藤氏(一期)、幹事長は黒羽先生、会計は釜山先生と関谷氏(一期)の担当と、先生方のご支援を頂戴しての会の発足・運営でした。
 昭和三十年に関谷氏が会長に就任。先生方からの巣立ち、自主運営開始の年です。
 以来、関谷氏には若き同窓会の運営にご苦心いただきました。昭和三十九年の同窓会会報の創刊。四年に一度の名簿発行等、夜間の母校会議室での作業。同窓 会として積極的に資料収集を進めていた創立三十周年記念誌発行が頓挫の際には、同窓会の怒りも大変なものでした。関谷氏と理事長の川口先生(三期)のご配 慮で鴻陵祭における資料展示で陽の目を見ました。昭和五十六年には、葛南分校支部の吸収合併、昭和六十年の四十周年記念事業等々。昭和六十三年五月、会長 を退かれてからも名誉会長として大きな立場からその都度適切なご指摘・ご指導をいただきました。九期の私も理事、理事長として関わらせていただいた数々の 活動が、関谷氏のお姿と供に思い出されます。
 関谷氏はご多忙の銀行業務と並行しての会の運営でした。役員もまた全員が勤務に従事しながらの活動でした。十分とは言えない活動に、温厚な人柄の関谷氏にはたいへん歯がゆく、ご苦労も多かったことと思います。
 「水を飲むときは井戸を掘った人を想え」と言います。会長、名誉会長としての五十三年間のご指導に、二万の同窓生一同衷心より深く感謝し、以後の着々たる会の歩みを約し、関谷名誉会長のご冥福をお祈りいたします。

私版・葛南分校史
抄録・その2
 会報26号では”抄録その1”として分校創立について紹介しましたが、今回は、旧職員・主事・講師・卒業生が『私版・葛南分校史』に寄せた想い出を再構成し、草創期の様子を2回に分けて紹介します。
草創期の葛南分校(一) 
 昭和26年4月、葛南地区に初めての高校教育の場、葛南分校は誕生した。三方を田圃に囲まれた夕映えの校舎に集まって来たのは、入学許可をもらった八十数名の生徒たちであった。
 その中には六三制以前に義務教育を終えた者がかなりいた。また、警察署や小学校の事務員、町役場や保健所の職員など地区とその近辺の官公署に勤める者が 多かったのは、勉学の機会に恵まれなかった地域の事情をよくあらわしている。それと共に島尻の練炭工場から粉炭に汚れた顔のまま登校する者、早朝から東京 の街々を魚の干物や佃煮などを行商して来る者、東京下町の機械工場から自転車でかけつける者、昼の野良着をセーラー服に着替えて来る者、あるいは田に"肥 打ち(こえぶち)"をしたあと臭いが気になって、風呂に入ったため遅刻したという者もいるなど、ひなびた葛南に住む若者たちだった。
 開校当初、始業が5時10分、終業が8時20分だった。時刻の合図はガランガランと手で振って鳴らす鐘であった。
 南行徳中学校の借校舎は、照明というにはほど遠いような薄暗い灯があるだけで黒板の字がろくに見えず、明るい電球をつけようにも変圧器の容量が小さいた め無理との話だった。体育も屋外灯一個の下での授業だった。冬になると半畳分くらいの火鉢が一つ、これが唯一の暖房で、これを囲んで授業が行われた。
 こんな環境であったが教室は活気があった。意気に燃えていた頃の生徒たちの努力は大したもので、試験では本校よりずっと良い点を取るものが何名もいた。また職場から器具や薬品などの都合をつけてもらって授業前に実験の準備をしてくれた者もあった。
 教室の活気は、勉強以外にも多くあらわれている。一人二人と校舎の陰に集まって始めた野球も、日曜日に地域のチームと対戦したり、本校のクラス対抗の優 勝チームと戦ったりもした。授業の空き時間にトレーニングのつもりで始めた学校〜今井橋間のマラソンが口火となって、やがて千葉〜松戸間往復の県下高校駅 伝競走に我が校も参加し、全日制の選手に伍して堂々と走り抜いたこともあった。

鴻陵顔見世
深作絵美さん(53期)マンガ家
平成18年度(第10回)文化庁メディア芸術祭
マンガ部門(オンラインマンガ)
審査委員会推薦作品選定

田中愛子さん(9期)ちりめん細工
行徳街回遊展〜歴史と文化のあふれるまち「行徳」
『ちりめん細工展』
本行徳3丁目自治会館
平成19年 3月10日(土)・ 11日(日)

いもばんど(吹奏楽部卒業生他)JAZZ
第二十七回定期演奏会
文化会館
平成19年 5月26日

佐藤錦一さん(3期)彫金
「佐藤錦一展」
ちばぎんアートギャラリー
平成19年 6月 5日〜 6月15日

国分 智 さん(25期)市川写真家協会会員
Sports Photograph Studio.写真展
素晴らしきディスクドッグの世界 PART II
八幡市民談話室 マイギャラリー
平成19年 9月 5日〜 9月 9日
海老原廣伸さん(12期)声明/企画・制作
小沢曉男さん(14期)企画・制作
心・弦・声・舞
  中国琵琶と声明・舞のコラボレーション
―時の流れを超えた伝統芸術の融合―
日本橋三越劇場
平成19年11月 5日(月)

相沢邦広さん(33期)写真
相沢邦広写真画展
市川市木内ギャラリー
平成19年10月26日(金)〜 11月 4日(日)

秋谷征子さん(14期)写真
第5回 市川大好き人の会・文化祭
「市川界隈写真展」
八幡 フリースペース圓
平成19年10月26日(金)〜 31日(水)

服部一郎さん(4期)江戸小物細工職人
江戸小物細工作品展
松屋 銀座店 ギャラリー和の座
平成19年11月28日(水)〜 12月 4日(火)

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